2023年3月10日(金)〜3月11日(土)、「湯治」と「ワーケーション」を組み合わせた1泊2日のプチ湯治ワーケーションを開催しました。
湯治とは、農作業の前後に温泉地に滞在し、温泉に浸かり、その土地の食材や旬の食材を使って自炊をし、近くの温泉神社まで歩いてお参りをする、そして地元の方や同じ湯治仲間と交流をしながら1〜3週間滞在し、心身の鋭気を養うという日本古来の養生法です。
快生館周辺には、豊かな自然や薬王寺温泉という人々に癒しを与えてくれる資源が多くあります。そういった資源を活用し、快生館で湯治を現代風にアレンジした湯治ワーケーションをやってみたい。という想いがずっとありました。また、私自身、温泉が大好きで、温泉に関する資格を5つ取得しました。資格取得のために得た知識や健康法を多くの方に知っていただきたい、そしてもっと心も体も健やかになっていってほしいという願いのもと、今回の湯治ワーケーションを開催させていただきました。
開催スケジュール
今回開催したスケジュールは以下の通りです。
<1日目>
9:00〜 随時受付/自由時間、コワーキングスペースでワーク利用
18:00〜 集合、開催ごあいさつ
18:30〜
季節の変わり目の体と薬膳の話&食べやすい薬膳の夜ごはん(おうちごはんplus 中島美香さん)
20:30〜 温泉なつきの入浴講座(森田菜月)21:00〜 各自入浴・自由時間
<2日目>
7:30〜 集合・朝ごはん
9:00〜 希望制/1日の始まりをととのえる。理学療法士とシャキッとサウナ、ボディケア(CHIL SAUNER)
13:00〜 地元食材を使った心と体にやさしいお昼ごはん(企業ヨガ輪さん)
14:30〜 足湯で入浴講座(森田菜月)
15:00〜 昼下がりヨガ(企業ヨガ輪さん)16:00〜 振り返り・解散
初日が金曜日ということでプログラム自体は夕方からのスタートでしたが、朝から来られる方はコワーキングスペースでワークをしたり、水辺公園の方へトレッキングへ出かける方もいらっしゃったり、各々自由に過ごしていただきました。
季節の変わり目の体と薬膳の話&食べやすい薬膳の夜ご飯
まずは、おうちごはんplusの中島さんによる薬膳のお話。
薬膳の基礎知識や考え方をはじめ、薬膳をとり入れた春夏秋冬の過ごし方をお話ししていただきました。特にこれからの季節に出やすい不調やケアしたい臓器、とり入れたい食材について詳しく説明していただいた後、実際に中島さんが作ってくださった薬膳の夜ごはんをいただきました。薬膳ときくと、香りや味が独特というイメージがありましたが、中島さんの作る薬膳ごはんは、どれも優しいお味で彩りも美しく「身体が喜んでいる」という感覚を味わいながらいただくことができました。中にはレシピを聞いている方もいました。食べた後の皆さんの血色や表情が明るくなっていたのがとても印象的でした。
おんせんなつきの入浴講座
プロジェクタースクリーンを使ってお話しする予定でしたが、窓から見える枝垂れ梅が見頃を迎えていたので、急遽、梅を眺めながらの入浴講座に変更させていただきました。湯治の話や簡単な体質チェック、朝食を食べるメリットやおすすめ食材、そして入浴方法などを説明させていただきました。ヨギボーでくつろぎながら、終始リラックスして講座を受けられていました。
朝ごはん
2日目の朝は、快生館スタッフで朝食を作りました。
〈献立〉
・葉たまねぎとお豆腐のお味噌汁
・冷奴
・二十五雑穀ごはんの卵かけご飯
・海苔
青柳醤油のお味噌やお醤油、あおやぎのたまご、古賀市の農家さんからいただいたお野菜を使ったり、朝食を通じて古賀市を知っていただけるきっかけにもなったのかなと思います。
入浴講座の中で話したおすすめ食材の海苔や雑穀米を取り入れたりもしました。
前日の夕食に比べるとかなりシンプルではありましたが、美味しいとのお声をいただけて嬉しかったです。
1日の始まりをととのえる。
理学療法士とシャキッとサウナ、ボディケア
軽めの朝食の後は、テントサウナから。
サウナが大好きで、さらに理学療法士の資格も持つCHIL SAUNERのお二人にサウナに入るメリットや入り方などを楽しく伝授していただいた後、実際にテントサウナを体験しました。
天気にも恵まれ絶好のサウナ日和。今まで水風呂が苦手で入れなかった方も、次第に慣れてきてサ活を楽しまれていました。「もっとしたい!」という声を多くいただき、時間を延長したりと大変満足していただけたようです。サウナで体がほぐれた後は、ボディケアも。理学療法士ならではのおもてなしに感動いたしました。
地元食材を使った心と体にやさしいお昼ごはん
テントサウナでととのったあとは、お昼ご飯。
企業ヨガ輪の橋口さんが地元のお野菜を使用したお昼ご飯を作ってくださいました。
橋口さんの作る料理は、古食材そのものの味や香りを楽しめるよう、さまざまな工夫をしてくださっていました。お野菜に「捨てる部分」は、ほとんどないことを教えていただきました。見た目も大変美しく、全員が心もお腹も満たされた時間でした。
食事の合間には、アーユルヴェーダ診断を通じて、自分がどんな体質なのかを知ることができたり、ただ、食事をいただくだけではなく、自分への気づきや学びも生まれる、とても有意義な時間となりました。
足湯
鹿の湯で足湯に浸かりながらツボを刺激。実は全身浴よりも部分浴の方が副交感神経が活発に働いてくれるので、リラックス効果が期待できます。10分ほどでしたが血行がよくなり全身がぽかぽかに。
昼下がりヨガ
足湯で骨盤を緩めたあとは、企業ヨガ〜輪〜の髙田さんと橋口さんによる昼下がりヨガ。
髙田さんの優しい声に導かれながらゆっくりと呼吸をし、自らの体と心と向き合う心地よい時間。
私も一緒に体験させていただきましたが、最近呼吸が浅くなっていたことに気づきました。
忙しく過ごしているとつい呼吸も浅くなってしまいがち。目を瞑り、ゆっくりと呼吸する時間だけでも日常の中に取り入れられたらいいですね。
畳のヨガマットも可愛らしく、香りに癒されました。
参加者の声
- 今回初のお泊まりだったので、他の参加者さんとコミュニティスペースでじっくり交流できました。今までの日帰りイベント参加ではできなかったことなので、これが一番嬉しかったことです。
- イベントを成功させたい、参加者に喜んでもらいたいという想いを感じられる対応をしていただきました、ありがとうございました。
- 時間がもっとほしいくらい楽しかった。みんな満足した顔をしていて和気あいあいだった。マッサージもとても良かった!
- 入浴についてその効果や効能、効果的な入り方などちゃんと学んだことがなかったので、目新しく興味深かったです。講座以外の時間でしたが、なつきさんが「温泉に通うようになって平均体温が上がった」という具体的なお話が特に印象に残りました。
さいごに
初めての試みで不安もありましたが、各コンテンツや温泉を通じて「自分の心身と向き合う時間」を楽しんでいただけたようでほっとしました。私にとっても一生忘れられない思い出です。湯治ワーケーションは今後も季節の変わり目に開催できたらいいなと思っております。
快く働くためには休養も大切。この自然豊かな薬王寺でのワーケーションを通じて自分に合った快く生き、働いていくためのヒントを見つけていただけると嬉しいです。
湯治ワーケーションに参加してくださった皆様、そしてコンテンツに協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。
文:(株)SALT 森田菜月